信州・秋山郷、切明温泉秘湯ツアー。 Season7 第1話『加賀井温泉・一陽館』
信州秋山郷は信濃三大秘境と言われ、ひと昔前は陸の孤島だった。
その秋山郷で最奥の地にあるのが切明温泉である。
その秋山郷に行くには関東方面からは、
■関越・上信越自動車道コース約3時間50分
練馬I.C→(関越自動車道)→藤岡J.C.T→(上信越自動車道)→佐久I.C→
(上信越自動車道)→更埴J.C.T→(上信越自動車道)→豊田飯山I.C→(R117)→
飯山→栄村「奥志賀スーパー林道経由
関西方面からは、
■名神高速・中央・長野・上信越自動車道コース約6時間30分
西宮I.C→(名神高速)→小牧J.C.T→(中央自動車道)→岡谷J.C.T→
(長野自動車道)→更埴J.C.T→(上信越自動車道)→豊田飯山I.C→
(R117)→飯山→栄村
関東方面からだと、さほど時間がかからないが
関西方面からだと、関東の倍近く時間が掛かる。
まさに、この秋山郷というところは
滅多に行けない秘境中の秘湯だということが判る。
われわれ関西出発組が出発したのは前夜23時。
二人の女性を自宅まで迎えに行った後、そのまま名神自動車道に入る。
最初は車の中でワイワイしゃべってはいたが、さすがに深夜。
一時間もすれば後ろの座席はお休みモード。
運転中は、まさしく『孤独のグルメ』ならず『孤独のドライブ』なのである。
途中、私とS氏が運転を替わりながらひたすら目指したのは、
長野県にある加賀井温泉「一陽館」。
到着したのは翌朝の8時だった。
■加賀井温泉「一陽館」
加賀井温泉は古い名称で、現在は松代温泉と呼ばれているが、
一陽館だけが、いまだに加賀井温泉と呼ばれている。
周囲には田んぼや畑が見渡せる景色なのだが、
一陽館の辺りだけが小さな森のようになっている。
判りにくい場所にあるのだが、意外と高速のICからも近く、
カーナビでも出てくるので、迷うことはない。
この温泉、江戸時代に村でやっていた温泉を、
大正時代に再度復活させたものだそう。
湯気抜きがある立派な浴舎に休憩室の建物がついている。
ここで入浴料を払う
この温泉、必ず宿のご主人が初めて来る入浴客に温泉のウンチクを語るのが風習。
浴舎の隣に温泉井戸があって、そこから太いパイプが伸びている。
お湯を一時貯める湯桶を覗かせてくれる。
サイダーを流し込んだように猛烈に泡立っていて、
泡の多い日は桶からあふれるそうで、
2年前に新しいパイプに修理し終えたばかりと言う。
噴出したばかりのお湯は透明に近いのだが、
時間と共に茶褐色に変色していくのが、ここの温泉。
まず内湯の方から入ってみた。
男女別に分かれている内湯の浴室には細長い浴槽がある。
左から右にふんだんに掛け流されている、お湯は緑かかった茶色で濁りが強い。
床は一面の石灰華で赤茶色。プラスチックの風呂桶も石灰華まみれ。
浴槽のふちが石灰華で横にせり出しているのだが、
常連さんに聞くと昔は木の浴槽だったというからたいへんな変わりよう。
うーん、温泉に入ったという気になる。
入ってみるとぬるめで夏でもちょうど良い温度。
泉質は含鉄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉、
源泉の温度は41度、蒸発残留物が12680㎎/Lもある。
源泉をそのまま流し込んで丁度良いぬる湯。
お湯をなめると塩辛くて苦い味がする。
一緒に入っていた地元のご老人から、
「隣にある露天風呂はもっといいよ」
「そうですか、ありがとうございます」
内湯から出て、浴舎の西側に大きな混浴の露天風呂がある。
すでに地元の先客と思えるご老人が4~5人ほど湯船に浸かっている。
四角い湯船が2つに仕切られており、周囲には簡単な生垣がある。
お湯は濃い赤茶色。手のひらを5㎝沈めるともう見えない。
驚くことにタオルを浸けると赤茶色に染まってしまうくらいの成分の強さ。
脱衣所も簡易な作りで、ここで着替える人はほとんどいない。
露天風呂に入るには、内湯の入り口からいったん
サンダル履きで外へ出なければならない。
男性は裸のまんまでも良いのですが、
女性はタオルを巻いて入ってきたほうが良いかと思う。
露天風呂はかなり温めなので、ゆっくり浸かっている人が多い。
今日も朝から2~3時間入り放しの人もいるとのこと。
ご主人の話では、お湯がどんどんあふれるときは色が薄くて、
お湯がたまってくるとにごりが強くなるそう。
そういえば流れの多い内湯は、それほど赤くなく露天に比べれば濁りが少ない。
逆に露天の方はお湯の動きが少なく、お湯から上がると
体に石灰分がついて陽に照らされ、ピカピカと光り体が
金色色に輝いて見えるほど。
そして乾いてくると、肌がさらさらする。
お湯も若干温めで、この温度だと2時間でも、3時間でも入っていられる。
「うーん、至福のひと時…」
一陽館の混浴露天風呂は、湯に浸かると全く身体が見えないので
女性でも比較的混浴しやすい温泉だと思う。
ただ、内湯から混浴露天に移動するのに10mくらい
歩いていかなくてはならず、お湯に浸かっている人たちに
裸が見られてしまうので移動の間はかなり恥ずかしいかと思う。
でも入ってしまえば、お湯が濁っていて見えないし、
混浴なんてことが苦にならないほどお湯が気持ちいいので、
ぜひ行ってみてはどうかと思う。
お湯に浸けたタオルも茶色っぽくなってしまうので、
いらないタオルを持参したほうが良いかも。
■加賀井温泉「一陽館」
住所:長野県長野市松代町東条55
TEL: 026-278-2016
入浴料: 400円
営業時間: 8:00~20:00
定休日: 年中無休
駐車場: あり(無料)
露天風呂(混浴1)・内風呂(女1、男1)
泉質:含鉄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
効能:けが・アトピー性皮膚炎・切り傷・骨折・慢性婦人病etc.
Season7 第2話に続く
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